「竜馬」としてのイメージ

司馬遼太郎さんの書かれた龍馬伝小説「竜馬がゆく」は、坂本龍馬を「龍馬」ではなく、「竜馬」としています。
この書籍の影響で、「竜馬」なのか「龍馬」なのかを迷われるという方も少なくないのではないでしょうか。
司馬遼太郎さんが、「龍馬」を「竜馬」とされたことには、理由があります。

今、多くの方がイメージされる龍馬の人物像は、「竜馬がゆく」のなかで描かれている龍馬像であるといえます。
そのイメージを要約してみましょう。
幼い頃は泣き虫で落ちこぼれであった彼が、成長するとともに身体が大きくなり、剣術に秀で、向かうところ敵なしとなる。
髷を結わずに、ブーツを好み、「わしはフリーじゃ。」といい、豪快に笑う。
男気があり、女性にも好感をもたれ、実際にモテた。
そして、その行動力で世界を動かし、それとともに数々の名言を残す。
皆さんの持たれているイメージと比べて、いかがでしたでしょうか。

司馬遼太郎さんは、自分の描く、こうした龍馬の人物像をフィクションとするために、あえて「竜馬」と表記したとされています。

「竜馬がゆく」が書かれた時代は、日本は高度経済成長期でした。
司馬遼太郎さんの描かれた坂本龍馬の姿は、多くの人々が上を向いている時代のヒーローとしての龍馬像であり、龍馬伝であったとも言えます。
しかしながら今は、100年に一度とも言われる不況が長引く時代であり、現代にあうヒーローとしての龍馬像や龍馬伝も必要なってきているとも言えます。